ゆるゆる感想記

お酒好きな平凡オタク芸大生。美術館に行ったり御朱印集めをしたりするのが趣味です✨ミニチュア収集やカフェ巡りも大好き!こちらのブログでは海外小説の感想やお酒のレビューなど色々と雑多に書いていきます。OFUSE:https://ofuse.me/74f9b36d Twitter:@yuruyurukansou1

「暴君様は優しくなりたい」翻訳 原作小説感想&ネタバレ83 結末まで

LINE漫画で配信中の「暴君様は優しくなりたい」の先のストーリーが気になり、韓国の原作小説を読み始めました。
当サイトでは、現在LINE漫画で公開されている話以降の内容と感想を結末まで少しづつ書いていこうと思います!

「暴君様は優しくなりたい」あらすじ

暴君様は更生中! 帝国ウベラの暴君だったドロシア・ミリオネア。 目の前のものを全て排除し、奪い、貪欲に食べ尽くす「悪」だった彼女はついに愛する人に恨まれ、処刑されてしまう。 けれど…目を覚ましてみると、幼少期に戻っていた⁉︎ もしかしてこれは、悪と後悔に染まった人生を逆転させるチャンスか? 今度の人生の目標は優しく生きること。 果たしてドロシアは、暴君だった過去を清算し、新たな人生で優しく生きることはできるのか…⁉︎ 暴君様の人生を懸けた、更生が始まる!
(LINEマンガより引用)

原作:Ramguel(람글) 作画:KAKON(카콘)

韓国語題名:폭군님은 착하게 살고 싶어

現在LINE漫画で公開されている話以降の内容を書いていきます。

以下小説ネタバレ注意

まだデビュタントパーティーは終わっていないにもかかわらず、ドロシーが精霊の力を覚醒した出来事は帝都中に広がっていました。パーティーに出席した貴族たちは侍従たちに命じて、自分の家門にこの一大ニュースを伝えます。そして当然、皇宮で働く人々もこの話題でもちきりでした。「皇女様は?」皇室騎士団の騎士たちは噂を聞くとすぐにステファンのもとに駆けつけます。特別な警備体制があるデビュタントでは護衛騎士は必要ないので、彼は騎士団でドロシーの舞踏会が終わるまで待機していました。「宮殿もより大きな場所に移るように陛下が直接命じられたらしいぞ!」「運がいいなステファン卿。君の地位も確実に上がるだろうな!」「羨ましい、こんなことなら俺も皇女の護衛騎士に志願すればよかった!」騎士たちは羨ましそうにステファンに話しかけます。ドロシーの地位が上がればその専属騎士であるステファンの地位も上がるのは明白なことでした。ステファンは軽薄な彼らの様子に嫌悪感を抱きますが、これからは誰からも軽視されることなくもっと良い環境でドロシーが生活できることに安堵していました。


一方、デビュタントが終わり、ドロシーはイーサンと共に帰りの馬車に乗っていました。派手で賑やかだった会場の騒音が遠ざかり、車輪がガタガタと転がる音だけが聞こえます。落ち着いてパーティーでの出来事を整理すると、思考と感情が徐々に一箇所に向かっていきました。ドロシーはイーサンに、イーサンはドロシーに。それでも二人は長い間言葉を交わすことなく口を閉ざしています。イーサンは向かいに座ったドロシーを見ました。彼女は言いたい言葉を口の中にとどめているように、赤い唇を少し噛んだまま彼に視線を向けています。精霊についても、過去についても聞きたいことが多いのでしょう。しかし彼女は躊躇していました。イーサンはその理由を知っており、だからこそ彼女に話しかけることができず、二人だけの空間で沈黙していました。しかし結局は向き合わなければならないことです。「どうか楽に言ってください、皇女様。」するとドロシーの唇が重く開かれました。「…あなたのことが憎らしくて。」イーサンとの会話の中で過去を思い出し、1つずつ鮮明になった感情たち。イーサンもその話が出てくると思っていたからか、ただじっと彼女の恨みを受け入れました。「あなたがテオンの秘密を隠さなかったなら、あのような結末にはならなかったでしょう。」彼女がレイモンドを殺した時も、彼はテオンの秘密を知っていました。日々やつれていく彼の姿も、イーサンは心労のせいだと言いました。彼が生涯彼女を騙してきたという事実が、そしてそのせいで起こった全ての出来事が彼女を混乱させました。彼がテオンの秘密を隠さなかったら、過去の悲劇もなかったはずなのに。「…なぜ今来て正直に言ってくれたの?」ドロシーは恨みと同時に、彼が正直にテオンの真相を打ち明けたことに疑問を抱いていました。彼はその事実を永遠に秘密にしておくこともできたでしょう。あえて不利なことを率直に告白するような人ではないはずなのに。間違いを認め、それを正直に告白するイーサンの率直さはドロシーを当惑させました。イーサンは、恨みと同じくらい大きな疑問を持ったドロシーを見つめながら、静かに口を開きます。「皇女様がその罪の重さに押しつぶされて崩れていくのを近くで見ていましたから。」彼は罪悪感のあまり壊れていく彼女をまた見たくありませんでした。「皇女様の罪ではないということ、レイモンド皇太子殿下を殺したのも、テオン・フリードを殺したのも全部僕だということを知っていただきたかったのです。」イーサンは彼の罪を告白することで、ドロシーの罪悪感を和らげることを望みました。

彼は震えるドロテアの目を見ながら困ったように笑いました。あえて口に出すことはありませんでしたが、彼は今日がドロシーのそばにいることを許される最後の機会になるかもしれないことを知っていました。「昔と変わったのは、皇女様だけではありません。」ドロシーが皇帝としての生活に失敗したように、イーサンはドロシーに愛される人生に失敗しました。ドロシーがレイモンドを殺してテオンを失ったように、彼はテオンを殺してドロシーを失いました。それらを経て、今世ではドロシーが皇帝の人生を諦めたように、彼はドロシーの隣に立つ人生を諦めることができたのです。
「皇女様を生かすためには、テオン・フリードを生かさなければなりません。」彼が罪を告白することで、ドロシーはテオンを諦めずに済むようになることをイーサンは知っていました。闇の力に浸食されていくテオンに、今世のドロシーは光の力を分けることができます。「僕が差し上げた力で、皇女様はテオン・フリードをそばに置くことができるでしょう。」テオンは彼女を必要とし、また彼女を憎んで死ぬこともありません。そしてドロシーは今度こそ愛する人の隣で幸せに生きることができるでしょう。自分が与えられない笑顔をテオン・フリ ードは与えることができたから。ドロシーを生かすためには、イーサンは彼女を諦めるしかありません。だから、今日のデビュタントはイーサンに与えられた最後の時間でした。「パートナーに最も記憶に残る舞踏会をプレゼントしなければならないというのが私の信条です。」美しく着飾ったのも、ドロシーの記憶に残る最後の自分をできる限り良い姿にしたかったからです。「皇女様が精霊石で僕の力を借りることができる範囲内に最大限滞在するのでご心配なく。」彼女が精霊の力が必要な時はいつでも使えるように、イーサンはブロンテ夫婦に帝都に長く滞在することを話していました。皇帝や貴族たちの前でも、 あるいはテオンのためにも精霊が必要ならばドロシーはいつでも使うことができるでしょう。「ですから、今日だけは僕が皇女様を最後までエスコートすることをお許しください。」彼女を次にエスコートするのはテオンになるのだろうと苦い思いを抱えながらも、イーサンはいつものように美しく笑います。ドロシーはそんなイーサンを見つめました。もうドロシーは彼を憎むことができませんでした。

馬車が皇宮にたどり着きます。イーサンは馬車から降りてドロシーに手を差し出しました。彼女がしばらく動けずにいると、イーサンはいつものようにきれいに微笑みます。ドロシーは彼の手を握って馬車から降りました。イーサンの手が名残惜しむようにゆっくりと彼女から離れます。「おやすみなさい、皇女様。」ドロシーはイーサンに挨拶した後、コンベルタ宮に向かいます。まだイーサンが見守っているのだろうかと気になりましたが、彼女は振り返りませんでした。

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