「暴君様は優しくなりたい」翻訳　原作小説感想＆ネタバレ76 結末まで

LINE漫画で配信中の「暴君様は優しくなりたい」の先のストーリーが気になり、韓国の原作小説を読み始めました。
当サイトでは、現在LINE漫画で公開されている話以降の内容と感想を結末まで少しづつ書いていこうと思います！

「暴君様は優しくなりたい」あらすじ

暴君様は更生中！帝国ウベラの暴君だったドロシア・ミリオネア。目の前のものを全て排除し、奪い、貪欲に食べ尽くす「悪」だった彼女はついに愛する人に恨まれ、処刑されてしまう。けれど…目を覚ましてみると、幼少期に戻っていた⁉︎ もしかしてこれは、悪と後悔に染まった人生を逆転させるチャンスか？今度の人生の目標は優しく生きること。果たしてドロシアは、暴君だった過去を清算し、新たな人生で優しく生きることはできるのか…⁉︎ 暴君様の人生を懸けた、更生が始まる！
（LINEマンガより引用）

原作：Ramguel（람글）　作画：KAKON（카콘）

韓国語題名：폭군님은 착하게 살고 싶어

現在LINE漫画で公開されている話以降の内容を書いていきます。

以下小説ネタバレ注意

しばらくして遠くから歓声が聞こえます。処刑が実行されたのでしょう。イーサンは吐き気が止まらず木陰に蹲ります。体に力が入らず、途方もない絶望感に駆られます。テオンを失った時の彼女もこんな気分だったのだろうか。そんなことを考えていると、突然精霊石が強烈な光を放って輝きました。そして「ミリオネアが途絶えたのだな。」とイーサンの耳に見知らぬ声が聞こえます。頭を上げると、彼の前には明るく輝く異形の存在が立っていました。明るすぎて輪郭すら分からないその存在が彼に尋ねます。「あなたは私の新しい契約者か？」非現実的な状況に直面したイーサンは、自分は夢を見ているのではないか、もしくはついに狂ってしまったのかもしれないと考えます。「私は光の精霊王ルクス、新しい契約者に血の契約を提案する。」その言葉にイーサンは目を丸くします。「私との契約に応じるか？」ルクスは彼に尋ねました。イーサンは嘲笑するような表情で答えます。「光の精霊だって？こんなにも簡単に姿を現せられるのなら何故彼女の前には来なかったんだ。」「必然の運命だった。ミリオネアとの契約は長い年月を経て薄れており、彼女は初めて精霊を呼ぶことができないミリオネアになっただけだ。」契約して時が経てばいずれ精霊の力を持たない皇族が現れるのは当然のことであり、それが偶然ドロシア・ミリオネアであっただけのことだとルクスは淡々と話します。その言葉にイーサンは途方もないやるせなさを感じます。ただの偶然のせいでドロシアは一生不幸でいなければならなかったのか。イーサンは全ての元凶である目の前の精霊を消してしまいたいと怒りに震えます。しかし、ルクスは無表情にじっとその場に立ってイーサンを見つめました。「私には契約者が必要だ。精霊石を所有したあなたに尋ねる。契約する意向はあるか？」ルクスはイーサンの怒りには興味がない様子でした。「彼女のいない世界で今更精霊の力が何の役に立つというんだ。」イーサンは精霊石を粉々に壊してしまおうと考えます。するとルクスが敵対的な態度のイーサンに再び口を開きます。

「最初に契約した精霊師は1度だけ私の力を完全に借りて願いを叶えることができる。」その言葉にイーサンはハッとしたように顔を上げます。「どんな願いでも？」「私の力に関することなら。」フリード大公家の精霊が闇と死の力を持つのに対して、ミリオネアの精霊は光と生命の力を持っていました。イーサンはルクスを真っ直ぐに見据えます。「契約しよう。その代わり彼女を生き返らせるんだ。」「ドロシア・ミリオネアを？」「そうだ。お前のせいで犠牲になった彼女を生き返らせろ。」ルクスは少し考える素振りを見せた後答えます。「人を甦らせるのは簡単なことではない。これは警告だ。その願いを叶えるためには時の流れに逆らうことになるだろう。」「また彼女に会えるならどうでもいい。」イーサンは彼女さえいればどんな苦境にも耐えられる自信がありました。イーサンの覚悟にルクスは満足気に笑います。「契約完了だ、新たな精霊師よ。」その言葉と同時に辺りが眩しい光に包まれます。そして、イーサンが再び目を覚ましたとき、彼は幼い姿で、かつて過ごしたパブの中の小さな小屋にいました。