ゆるゆる感想記

お酒好きな平凡オタク芸大生。美術館に行ったり御朱印集めをしたりするのが趣味です✨ミニチュア収集やカフェ巡りも大好き!こちらのブログでは海外小説の感想やお酒のレビューなど色々と雑多に書いていきます。OFUSE:https://ofuse.me/74f9b36d Twitter:@yuruyurukansou1

「暴君様は優しくなりたい」海外原作小説感想㉖ 結末まで

LINE漫画で配信中の「暴君様は優しくなりたい」の先のストーリーが気になり、韓国の原作小説を読み始めました。
当サイトでは、現在LINE漫画で公開されている話以降の内容と感想を結末まで少しづつ書いていこうと思います!

「暴君様は優しくなりたい」あらすじ

暴君様は更生中! 帝国ウベラの暴君だったドロシア・ミリオネア。 目の前のものを全て排除し、奪い、貪欲に食べ尽くす「悪」だった彼女はついに愛する人に恨まれ、処刑されてしまう。 けれど…目を覚ましてみると、幼少期に戻っていた⁉︎ もしかしてこれは、悪と後悔に染まった人生を逆転させるチャンスか? 今度の人生の目標は優しく生きること。 果たしてドロシアは、暴君だった過去を清算し、新たな人生で優しく生きることはできるのか…⁉︎ 暴君様の人生を懸けた、更生が始まる!
(LINEマンガより引用)

原作:Ramguel(람글) 作画:KAKON(카콘)

韓国語題名:폭군님은 착하게 살고 싶어

 

現在LINE漫画で公開されている話以降の内容を書いていきます。

以下小説ネタバレ注意!

回帰前の誕生日

「陛下は私の父親であることを一度でも望んだことがありますか?」ドロシーが聞いてみたかった質問でした。ドロシーは目の前の冷徹な人物から父性を感じたことなどありません。「精霊の力も扱えない私を目障りなお荷物だと思っていませんか?」「口を閉じろ。」「私の誕生日は覚えていますか?」「…当然覚えている。」皇帝の表情が固まりました。ドロシーは顔を歪めて笑います。「そうでしょうね。皇后陛下の命日ですから。」ドロシーは皇族でありながら今まで誕生日パーティーを開かれたことがありません。ドロシーは母親の命を奪って生まれた子であり、皇帝にとっては娘が生まれた日ではなく妻を失った日だったからです。回帰前のドロシーはそれを理解することができませんでした。兄のレイモンドは誕生日を迎える度に豪勢なパーティーが開かれ、山のようなプレゼントを貰うのに、何故自分の誕生日には皆が口を閉じて悲しみに暮れるのか。何故父は花の一輪さえ自分に贈ってくれないのか。「皇女様の誕生日は皇后陛下が亡くなった日でもあるのです。」乳母がドロシーに説明しましたが、顔すら知らない母親の死を皆と同じように嘆くことも、自分が置かれた現状に納得することもできませんでした。むしろ幼いドロシーは亡き母を恨めしくすら感じていました。自分はこんなにも懸命に生きているのに、そのことを誰からも認知されていないような孤独感に苛まれていたのです。しかしそれを少しでも態度に出すと、利己的で無情な子供だと軽蔑と非難の矢が降ってきました。

悲痛な本音

ドロシーは皇帝をまっすぐ見据えます。「陛下はその日、私が死んで皇后陛下が生きることを望んだのでしょう。」皇帝は否定することができず口をつぐみます。そのことに対して今のドロシーは特に悲しみを感じませんでした。生まれてもいない子供と愛する妻を天秤にかけられて子供を選べる父親はそう多くはないでしょう。「陛下は今でもそう思っておられますか?私が死んで皇后陛下が生きていればよかったと。」皇帝の瞳が大きく揺れます。聞かずとも皇帝の心中など既に知っていたことです。「数年前に私が誘拐された時、そのままいっそ死んでしまえばいいと思ったのではありませんか?」その言葉を発した瞬間、皇帝がドロシーを思い切り叩きました。頬に鋭い痛みが走ります。「どこでそんな言葉を…!」皇帝の声が怒りに震えています。

感想

回帰前の幼いドロシーが過ごした孤独な誕生日の様子には胸が痛みます。兄には盛大なパーティーが開かれる一方で、自分は誰からも祝われないという状況に幼い子どもが不満と寂しさを感じるのは当然ですよね。彼女の孤独に寄り添う人がいなかったというのはあまりに悲惨です。
これまでの自身の言動が原因であるにもかかわらず、怒りに任せて暴力を振るう皇帝は本当に救えませんね…。
お読みくださりありがとうございました!次回の更新でまたお会いしましょう🙏✨